平川恒太・福田惠・古堅太郎

この度、ギャラリーアトスでは、平川恒太、福田惠、古堅太郎によるグループ展「Red Sun, White Sand」を開催いたします。本展のタイトル「Red Sun, White Sand」は映画「硫黄島からの手紙」(*1)の当初の英語タイトル「Red Sun, Black Sand」に由来します。この映画は、クリント・イーストウッド監督により2006年に硫黄島の戦いを日米双方から描いたプロジェクトによる日本側視点の作品です。「Red Sun」は日の丸を示し、「Black Sand」は硫黄島の浜辺の色を示しています。本展のタイトルでは、沖縄の美しい砂浜から「White Sand」とし、南国のリゾート地としての沖縄と硫黄島同様、上陸戦で激戦となった沖縄の歴史や日米両政府によって今も基地問題で平和と安全の名のもと負担を強いられる沖縄の姿を表しました。

今回、展示に参加するアーティスト、平川恒太、福田惠、古堅太郎はこれまでコミュニティーや歴史について作品を制作してきました。平川恒太の作品《折られた平和》は平和教育を受けてきた作者にとって平和や安全の名のもと基地や軍備を強める現在の姿を表します。福田惠の《クリンゴン式茶会用茶器》は、アメリカのSFテレビドラマ「スタートレック」に登場するクリンゴン人の儀式を引用し、思想や宗教、性別など異なる関係の中で相手を理解する難しさを表現します。古堅太郎の作品『Blueprint』は、丹下健三の「大東亜建設忠霊神域計画」と「平和記念公園」のデザインの類似性に注目し、戦前の翼賛体制と戦後の平和主義の関係について問いかけます。

映画「硫黄島からの手紙」で日米双方の視点から描かれたように多方の視点から物事を表現しようと試みる三人のアーティストによる展覧会を通し2020年の日の出と共に新たな年を考えます。

 

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